天津、北京の旅から
すごいエネルギーと活力、人々の表情は明るかった
駆け足で、天津から北京を回ってきました。
ちょうど、六ヵ国協議の最中でしたが、政治への関心は低く、五輪に向けた経済発展のエネルギーと活力が、都市の空気を満たしていました。そのぶん町は埃ぽく、霧や黄砂が飛んでいました。
若者や女性のファッションはかなり洗練されてきており、大都会では日本とそれほど大差はありません。コスプレの若者もいました。
物流の拠点の天津在住の日本人は5000人といわれ、たくさんの日本企業の人々が中国経済の発展をサポートしており、日本に対する親近感も以前より増大していたよに思います。
日本のメディアが伝えてきた反日感情は、まったく感じませんでした。人々は毎日の生活に夢中、という感じです。明日はもっと良くなるだろう、一生懸命働けば、よりよい将来が手に入る、という信念で生きているように思います。
「坂の上の雲」をめざして経済大国を築いたかつての日本の姿を彷彿とさせました。
人々の平均年収は日本の一割ほどといわれます。車の値段は高くて、普通のサラリーマンの年収の5年分、ということですが、それでも車の数は日本並みに多く、道路は渋滞しています。
格差社会、というなら、いまの中国は日本よりもはるか上の格差社会だと思います。その一方で1000万円クラスの高級外車が飛ぶように売れているといいます。
またコーヒーのスタバは高級店で、外人客が多く中国の若者はほとんど入っていません。だいたいコーヒーは高級飲料で、一杯、500円くらいしていました。
何十年かぶりの中国旅行でしたが、感動的なものがありました。
中国とのパートナーシップをうまく築くことができなければ、我々の未来の生活はありえないと痛感しました。米国とうまくやることしか考えてこなかった日本人は、そのDNAの方向転換をする必要があります。
経済しかり、政治しかり、安全保障、環境問題しかり、です。
それには、懸案の歴史認識を含め、お互いのイメージギャップを埋めてゆく仕事が大切です。
今回の駆け足の旅で感じた断片を、このブログで連載してゆきます。私にエネルギーを与えて下さった方々、現地で頑張る日本出身の方々の思いを少しでも伝えたいと思います。
=写真は万里の長城の登り口で出迎える駱駝=筆者撮影