■
昭和天皇の靖国発言メモ
昭和天皇の靖国神社のA級戦犯合祀をめぐる発言メモが、日経新聞のスクープで明らかになりました。昭和天皇が靖国参拝を中止した理由が、これではっきりしたわけです。
国際連盟を脱退して大戦への道を開いた外相・松岡洋右がなぜ靖国に合祀されているか理由がわかりませんでしたが、今回の天皇発言を読んですっきりしました。
天皇の参拝中止は、戦犯合祀とは無関係だとする論拠は、これで崩れました。
あらゆる論議は、事実の確認からスタートすることの重要性を、教えています。
事実を根拠にするーーーこれこそメディアの本来の役割で、風説の流布やデマで世論が暴走することに、ブレーキをかける唯一無二の方法です。だからこの種のスクープは貴重なのです。
終戦直後、天皇とマッカーサーの会談は10回以上行われていますが、その会談記録の全貌はまだ明らかになっていません。記録の存在すらわからないものがあります。
記者時代の小生は、天皇ーマッカーサー会談の幻の記録を求めて、アメリカの議会公文書館やハーバード大学のキーナン文庫(キーナンは東京裁判の検事長)まで取材にでかけたことがあります。しかし杳として行方は知れませんでした。
憲法制定過程や沖縄の処遇など、日本の戦後に多大な影響を与えた天皇ーマッカーサー会談の記録が発見されれば、現代史はもっとすっきりした形をとるでしょう。