マスコミにも政権交代が必要だ

子飼いのマスコミ使った与党の情報操作に負けずに
 民主党の歴史的大勝を実現させた国民 

 ついに政権交代が実現した。世論調査の結果から民主党の勝利は疑わなかったが、300議席獲得の大勝は予想していなかった。与党政府は子飼いのマスコミを通じてあざとい情報操作をしていたし、民主党には不利なニュースがたくさん流されていたからだ。
 選挙戦の日程に合わせたかのように、突如、マスコミを席巻した”ノリピー祭り”も、民主党への追い風から国民の目をそらせようとする情報操作のひとつで、これにも与党議員と官僚が関与しているといわれる。この事件も政府与党の思惑とは異なり、国民に現政権の腐敗と非情さを感じさせる結果になり、逆に民主党の終盤の追い風に転化した。 国民はこうした負の情報操作に惑わされずに、あえて政権交代を選択した。国民は政権交代への不安より、このまま自公政治が続けばゾンビのような無能官僚との癒着、既得権益政治が続き、国民の税金も年金も官僚政治に食いつぶされると判断したのだ。背景に官僚の専横に対する不信感をこえた恐怖がある。 
 従って今回の民主党の大勝は、国民が全面信頼したわけでなく、自公政府からの緊急避難の意味があったことを民主党関係者は肝に銘じるべきだ。
 自民党は大きく数を減らし、落ちるべき人は落選している。しかし加藤紘一、安部普三、石破茂氏らの保守政治の本流をいく政治家が当選している。
 いつまでも民主台風が吹き荒れるわけではないから、官僚のいいなりにならない良質な保守政治を守る政治家がもっとたくさん育つ必要がある。
 民主党への国民の期待は格差社会の抜本的な是正である。地方と中央、大企業と中小企業、正社員と派遣などの目に見える格差是正だけでなく、たとえばインフルエンザワクチン接種の順序などの決定のプロセスを透明にして特権者との差別を生まないようにすべきだ。
 また格差社会の拡大は法の適用に関しても、地位や階級によって恣意的な運用形態がしばしばあり、国民の格差拡大の実感を大きくしている。  
 真実を隠す情報操作はあってはならないことだが、官僚と記者クラブを通じたマスコミの情報操作として日常的に存在する。情報操作によって国民は真実から隔離され間違った情報を受け取って操られてしまうのだ。
 最も悪質なものは警察や検察などの捜査機関を使った”国策捜査”だろう。小沢前代表の秘書が政治資金規正法違反で逮捕された事件は、あえて選挙前に立件されたことで、国策捜査と見ることができる。
 捜査情報は政府筋に近い官僚からマスコミにリークされ、テレビや新聞がニュースとして書きまくる。間違ったニュースでも一方的に書かれた側は反論する権利も機会もなく、やられっぱなしだ。
 作家で外務官僚だった佐藤優氏も、外務省で自分が逮捕された事件は国策捜査だったと訴えている。また選挙期間中のマスコミが垂れ流した女優・酒井法子覚せい剤事件も、与党議員がからんだ国策捜査が疑われている。
 国策捜査は違法であり、国民の心を傷つける。刑事被告人として逮捕された人間の権利や名誉をも著しく傷つける悪質なものだ。
 民主党国策捜査の被害者でもあったのだから、こうした事件の背景や仕掛け人を告発し、国策捜査のない透明な政治を実現してほしい。米国だと厳格な法的政治的コントロール下に置かれたCIAが行う仕事を、一介の官僚や政治家が個人的な利益のために闇で仕掛けるのが、日本の国策捜査の実態である。
 情報操作はマスコミの記者クラブを使うのが通例だから、これをやめさせるために、各官庁にある記者クラブに無料で部屋を貸すシステムを改める時期にきている。官庁付き記者クラブがなくなれば、情報操作の危険度がはるかに減り、政治の透明性と国民との対話とコミュニケーションがスムーズに行われる。記者クラブは世の中の正しいニュースと情報の流れを阻害する元凶になっている。| - | 22:26 | - | - |